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課題: メインフレーム(XSP)の仮想記憶不足を解消する


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メインフレームの仮想記憶不足でお困りのお客様へ
 
 
なぜ、貴社のシステムで仮想記憶不足が起きるのか
その理由をお話ししましょう
 
 
※MSPのお客様はベンダーのSEにご相談ください。
  仮想記憶域の見積りに関する情報は、ユーザ公開されているハンドブック「メモリ見積りの手引き」に記載されておりますし、
  製品開発事業部も大規模システムへは個別に対応しております。
  それでもダメなときはご連絡ください。  ⇒ 問合せ



XSPのシステムで、FSQA / PSQA / EFSQA / EPSQA が枯渇してしまったお客様...
 
 簡単に仮想記憶の復習をします。 マニュアルは「OSIV/XSP タスク管理解説書」と「OSIV/XSP システムプログラミング手引書」になります。

 コンソールからDISPLAY Rを投入してみてください。
 以下のように、仮想空間(システム共通域;FSQA/PSQA/EFSQA/EPSQA)の使用状況が表示されます。

   *Txx DISPLAY R
   @***** RESOURCE 18.03 *****
   @AVAILABLE STORAGE : FIXABLE=119444(9276),EPS=47%,
PSQA=33%,FSQA=30%
   @
EPSQA=29%,EFSQA=22%
   @AVAILABLE MAX STORAGE :
PSQA = 1406KB( 1382KB yy/mm/dd 17:18:31)
   @
FSQA = 917KB( 885KB yy/mm/dd 16:30:34)
   @
EPSQA= 10112KB( 9600KB yy/mm/dd 16:01:14)
   @
EFSQA= 2736KB( 2736KB yy/mm/dd 03:03:34)

 上記、AVAILABLE STORAGE(=使用量/定義値)で、20%以上の余裕が必要です。

 仮想空間は、システムパラメタ SYS.システム名.PARMLIB(XHIASYS0)で以下のように定義されています。

   ADRSPS
   FLSQA C 404
   PLSQA C 960
   FSQA C 2984
   PSQA C 3648
   EFLSQA C 2560
   EPLSQA C 2560
   EFSQA C 18432
   EPSQA C 246784
   END

(単位はKB。バウンダリ調整があるので、実際に使用できる量とは若干異なります。)


 XSPでは仮想空間サイズもシステムパラメタで設定します。(64MB、128MB、256MB、1GB、2GB)

    AESIZE C 1G

 仮想記憶の全体像は下表のようになります。

    領域名 定義値
(DEFINED)
最大使用量
(USED MAX)
最大使用率
(=使用量/定義値)
拡張域

AESIZE
(MAX 2GB)
ユーザ
固有域
EREGION      
EPLSQA      
EFLSQA      
システム
共通域
EPLPA      
EPSQA      
EFSQA      
ENUCLEUS/EFLPA      
基本域

0〜16MB
ユーザ
固有域
REGION      
PLSQA      
FLSQA      
システム
共通域
PLPA      
PSQA      
FSQA      
NUCLEUS/FLPA      
 
 考え方の基本は、
「定義値<使用量」になってはいけないということです。 (E)NUCLEUS/(E)FLPA、(E)PLPAはシステム固定です。
 定義値を超える要求があったとき、
  ・ ユーザ固有域なら、対象の
ジョブが異常終了する
  ・ システム共通域なら、領域を獲得できなかった
OS/サブシステム/ジョブが異常終了する、
     即ち、運が悪いとサブシステムダウンやシステムダウンを起こします。
 
 では、どうすればよいか...
 
 
 
 はい、
適切な定義値を設定すればよいですね。
 
 定義値を決めることを、「仮想記憶を見積もる」といいます。
 しかし、ほとんどの
SEは多分見積りをした経験がありません。 (10年前だって、経験者はわずかだった...)  
 なぜか...    
 
 
 
 見積りは大変難しく、時間もかかるので、見積もらなくても「ほとんどの」お客様で動くように少しずつ改善したからです。
 最悪のときでも、サブシステムダウンやシステムダウンしない仕掛けを作ったからです。 
 (興味のある方は、XSP AFIIのPTF情報をごらんください ⇒ こちら
 
 
 
 「ほとんどの」お客様で動くと言いましたが、問題となっているお客様は
全システムの1%未満でないでしょうか。
 もしも問題があれば、運が悪かったとしか言いようがありません。
 
 SEに「何とかしてくれ!」と言っても、多くのSEは仮想記憶見積りなんかやったことがないので埒が明きません。
 責任感のあるSEが1から頑張って勉強してくれても、あっという間に1ヶ月が経ってしまいます。
 根本的な対応ができないと、問題が再発し、お客様に多大なご迷惑をかけることになります。

 
 
 
 XSPで、FSQAやPSQAが枯渇してお困りのお客様

 事例をご紹介します。
 仮想記憶の使用状況を調査するには、PDL(Performance Data Logger)の取得から始まります。(→取得方法
 以下はX3レポートの例です。
 

 
 
 特徴 
 1.FSQA、PSQAの使用率が高い FSQA:4734/5059=94%、PSQA:2090/2352=89%
 2.FSQAの使用量が異常に大きい (4,734KB)
 3.REGIONが小さい (3,648KB)
 4.AEサイズが1GBである
 
 状況
 1.REGIONが確保できず、特定のジョブが異常終了しまう。
 2.FSQAが徐々に増加している。
 
 改善のポイント
 1.FSQAサイズの削減
   基本的なところでは、メモリ管理テーブルやVSAM管理テーブルが領域を無駄に使っていないか
  (※詳細分析が必要: PTFレベルやシステムパラメタの設定により変わってくる)
 2.AEサイズの見直し    バウンダリ調整によりユーザ固有域が圧迫されていないか
 3.仮想空間の再設定
 
 仮想記憶問題は、@OSの問題、 A環境定義の問題、 B(ユーザ)アプリケーションの問題 に分類できます。 
 上の事例は、@のウエイトが大きいですね。



 仮想記憶問題は、専門家に相談するのが一番です。 まずはお問合せください(無料です)。
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 XSPで、EFSQAやEPSQAが枯渇してお困りのお客様

 基本的な調査方法はFSQAやPSQAと同じです。
 FSQAやPSQAといった基本域は、16MBという限界があるためチューニング難度が高くなります。
 EFSQAやEPSQAといった基本域は、前述のAESIZE(最大2GB)を大きくすれば基本的には対処できます。
 EFSQAはオンライン起動後の大きく増減することはありません。
 EPSQAは大きく増減する可能性があります。このときは、その原因を調査する必要があります。
 (排他制御表、DCバッファ、ジョブ間共用バッファ、etc)

 但し、AESIZEを大きくするといくつかの弊害(副作用)が出るので、これを正しく認識する必要があります。
 「OSIV/XSP システムプログラミング手引書」に丁寧に記載しています。




XSPで、基本REGION が枯渇してお困りのお客様

 REGIONは、定義値を設定することはできません。
 基本域(アドレス16MB以下)においては、「16MB−他の領域の定義値」がREGIONとして使用することができます。
 よって、REGIONを増やすには、他の領域の定義を小さくするしか手がありません。

 ジョブの基本REGIONサイズが大きい(例えば6MB以上)ときには、その原因を調べ、小さくできないか検討することも重要です。




XSPで、拡張REGION が足りなくてお困りのお客様

 AEサイズを大きくすることで対応できます。(64MB、128MB、256MB、1GB、2GB)
 SymfoWAREを使うプログラムは、そのバッファを拡張REGIONに獲得するため大きくなる傾向があります。
 プログラムがOSやAIMに準拠して作られていないと大きくなる傾向があります。

 むやみに拡張REGIONを大きくすると、ページテーブルが増加し、16MB以下の実メモリが枯渇することがあります。
 この状況は、多くの自治体システムで起きていますが、ほとんど気にされていません。



注意
 システム共通域を修正すると、外部ページファイルのLPAEPSを新しくアロケーションします。(古いLPAEPSもこの時点では存在します。)
 指定されたボリューム(システムパラメタで設定)に余裕がないと、システムが起動できなくなります。




追伸
 
 ここで示した「仮想記憶問題」は、お客様の問題ではありません。OSの問題です。
 私が富士通在職中、XSPの仮想記憶問題を撲滅すべく活動してまいりましたが、未だ0にはなっていません。
 この問題には、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えております。  
 メインフレームが世間で言われるレガシーシステムでなく、10年先も企業価値を生み出す経営資源であり続けるために、お役に立ちたいと考えております。


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2005年9月作成、2011年4月修正
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