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◆001 はじめに 
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2010年11月11日更新
PDL/PDA (Performance Data Logger/Analyzer) の利用方法
1. はじめに 【MSP・XSP共通】
適切なパラメータ(MSPXSP)を使用すれば、PDLを採取することでシステムの性能に悪影響を及ぼすことはありません。
実際、システムがスローダウンしているときも、原因調査のためPDLを採取します。
しかし、多くのシステムで、正確なPDLが採取されていないのが実態です。主な原因は以下の2点です。
 ・PDL採取時にデータロストが発生する
 ・PDLを採取する適切なSAMPLE文が設定されていない
PDLを採取するときに使用するバッファの大きさはJCLで指定し、システム共通域に獲得します。
 MSP:DD名 KDJRDER DCB=(BLKSIZE=23476,BUFNO=40)  MSPのJCL
     ECSA領域 上記例だと約23KB×40=約920KB
 XSP:FD名 KDJRDER FCB=(BLKSIZE=23476,BUFNO=20)  XSPのJCL
     PSQA領域(V03061以降はEPSQA領域) 上記例だと約460KB
  (正確には、(BLKSIZE+α)×BUFNO、 MSP:α=24、XSP:α=12)
特にXSPでは、PDLを実行する前に、(E)PSQA領域に十分余裕があるか必ず確認する必要があります。
 バッファ数の上限 MSP(OPT1指定時) 65,535 XPS 255
 
データロストは、データ量の多いAMSGやAEXTレポートで起きます。
データロストの発生状況は、PDLを編集したPDAのA3レポートを使います。
   A3. SAMPLING RESOURCE INFORMATION
 --- RESOURCE NAME --- ------- SAMPLING RATE    --- LOST ---
            ---- V ---  ---- D ---  -- COUNTS --
    * AMSG      00:10:00:000 00:10:00:000   
1,810 
LOST COUNTSは
0でなければなりません。
MSPでは、AF2 C05061以降、OPT1機能を使用していると
JQS5191Iメッセージが出力されます。
適切なバッファ数の机上見積りはできません。実際に試行錯誤するしかありません。
参考 データロストが起きると何が問題か?
例えばオンラインプログラム(SMQN)が1,000個動作していたとします。
AMSGレポートでデータロストが起きると、1,000個のうちの一部のSMQNのデータがファイルに格納されます。
特定のSMQNから見ると、採取されたり採取されなかったりする可能性があり、数値(処理件数や処理時間)の信憑性も疑わしくなってしまいます。

 
参考. (E)PSQA領域の空きの確認方法とバッファ数の設定 【XSP版】
 目的:データロストを防止し、システムに悪影響を与えずPDLを採取すること
 (1) AF2のPTFレベルを確認する
  PDLのバッファの獲得先 V03061以降 EPSQA領域、それ以前 PSQA領域
 (2) オンライン稼動中 (できるだけピーク時間帯)のPSQA/EPSQA領域の空き容量
  を確認する
  コンソールから、DISPLAY Rコマンドを投入
@ACTIVE CPU : CPU0
@AVAILABLE STORAGE :FIXABLE=59306(2428),EPS=95%,PSQA=
53%,FSQA=45%
@                EPSQA=
82%,EFSQA=67%
@AVAILABLE MAX STORAGE : PSQA =  1443KB( 
1428KB 10/03/07 14:01:41)
@                    FSQA =   677KB(  676KB 10/04/29 12:04:00)
@                    EPSQA= 34280KB(
31528KB 10/04/30 19:52:44)
@                    EFSQA=  6052KB( 5860KB 10/04/18 10:12:14)
 現在の空き率、空き容量(カッコ内は
IPL以降の最小空き容量)
 ★(E)PSQA領域の空き率が20%以上であることを確認する。
 (3) PDLのバッファとして使用できる最大容量pを計算する
 ★(E)PSQA領域の概算定義値を求める。
  PSQA  1443KB/(53+1)%=2,672.2KB (≒実際の定義値2,672KB) @
  EPSQA 34280KB/(82+1)%=41,301.2KB (<実際の定義値41,476KB) A
 ※正確な値は、PDL/PDA X3レポートで確認することができる。
  (注意:システムパラメタの値には境界調整が入っていない)
 ★容量を計算する。
  PSQA  (1420KB-p)/2672KB=20%、p=885KB
  EPSQA  (31528KB-p)/41301KB=20%、p=23,267KB
 (4) 使用しているPDLの実行JCLを確認してください。
   ・FD文 KDJRDERのFCBパラメタの指定があるか?
   省略値は、FCB=(BLKSIZE=4096,LRECL=4092,BUFNO=5)
 (5) PDLバッファの上限値を計算してください。(XPSは最大255個)
  @ 4KBのとき221個、23KBのとき38個
  A 4KBのとき5816個、23KBのとき1011個
 (6) バッファ数を現在〜最大値の間で増やし、データロストが無くなるか確認する。
 その際、DISPLAY Rコマンドで、(E)PSQA領域の残量も確認する。
  なお、PSQA領域の空き率が15%〜20%でも運用には支障ありません。
  このときは、定期的(1時間ごと)に空き量を確認し、15%を下回ったときには
  PDLをすみやかに停止してください。
※PSQA枯渇のチューニング事例
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